東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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銀河もこちらで

星獣戦隊ギンガマン』感想・第41-42話

◆第四十一章「魔獣の復活」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子
 前回ラスト、阪神商人の思惑通りに彗星のエネルギーを注入された事により、蠢動するダイタニクス。
 「こうしちゃいられねぇ。封印の解け具合、調べてくるぜ。ふふふはははは!」
 「調べる必要などあるものか! ――ダイタニクスは、復活する!」
 操舵輪の感触を確かめながら、力強く断言するシェリンダが、違いのわかるこだわりを見せて格好いい。
 「ああ。そしてこの星も、終わりだ」
 渦巻く暴風、轟く雷雲……ダイタニクスの覚醒は地球環境にすら影響を与え、その目覚めをハッキリと確認するモーク。
 「魔獣ダイタニクスが、復活する」
 「えっ?!」
 「戦いが始まる。最も、厳しい戦いが」
 そしてまた、樽爺も謎の呪具によりダイタニクス復活を察知する一方、ヒュウガは焚き火に当たりながら呑気に休憩中。
 「どうかしたかじゃと?! ……そうか、アースをなくしたせいで星の危機を感じ取れんのか」
 からヒュウガの選んだ状況の重さを改めて示してくるのが、渋い。
 バルバンではダイタニクスの表面を覆っていた石の部分が剥がれ落ちてその下の本体が少しずつ顔を見せ、一気に覚醒するのではなく徐々に解放されていく様子と、それに対する各勢力のリアクションを積み重ねていく、という作劇が実に重厚。
 3クールを引っ張り続けてきた存在にふさわしい大仕掛けの見せ方となっています。
 「ダイタニクスが復活すりゃあこっちのもんだ。また昔みてぇに、好きなだけ壊して殺して、奪いまくれるぜ」
 てっきりラスト直前まで引っ張るのかと思っていたので、このタイミングでのダイタニクス復活は予想外でしたが、視聴者に驚きを与えつつ、敢えてここまでのフォーマットを終了させて最終クールに飛び込む、という判断がどんな物語を生むのか、楽しみです。
 いよいよ強くなるダイタニクスの気配をモークが感知し、ギンガマンは水際での上陸阻止の為に出撃し、状況はすっかり、『ゴ○ラvsギンガマン』。
 「みんな……気をつけて。必ず、ここへ戻ってくるんだ。いいね」
 「大丈夫。俺たちは勝つよ。絶対に!」
 「ああ。信じてるよ」
 いつになく5人を気遣うモークの姿も緊迫感を高め、吹きすさぶ嵐の中を走るギンガマンは、5人の元へ向かっていた勇太くんから、白いハンカチを受け取る。
 「これ、みんなのお守りの代わり。運動会で一等だった時も、テストで100点だった時も、このハンカチ、持ってたんだ。だから、だからちょっとは効果あるかも」
 「……勇太、ありがとう!」
 勇太くんはハンカチをリョウマの手首に巻き付け、まだまだヒロインレースで引き下がる気はない!
 「みんな、負けないよね、絶対」
 「……ああ」
 「勝つに決まってるだろ」
 「私たち、今までだってずっと勝ってきたじゃない」
 「でも、今度は……今までとは違う気がする」
 「そんな事ない。今までと同じだ!」
 「俺たちは帰ってくる。必ずな」
 「どんなに強い敵でも、俺たちは負けない。星や、勇太達みんなを、守るために! 約束するよ」
 5人それぞれと言葉をかわし、その背を見送る勇太くんの姿がギンガマンの決意を劇的に彩り、故郷を失った5人にとって、森の外に「約束」する相手の存在がある事が、戦士としてのギンガマンの裾野を広げた上で終盤戦にしっかり機能しているのが巧妙。「宿命」と「世界」を結ぶ連結装置としての勇太少年は、とにかく縦横無尽の大活躍です。
 「可哀想に、切羽詰まった顔しやがって。こっちは盛り上がる一方でな。一つ派手に暴れさせてもらうぜ。ヤートット!」
 海岸ではバットバスが待ち受けており、銀河転生した5人はヤートットを切り払うと、星獣剣を砂浜に突き立てる。
 「銀河を貫く伝説の刃! 星獣戦隊!」
 「「「「「ギンガマン!」」」」」
 おのおの星獣剣を前に置いての変則名乗りから揃い踏みは、ギンガマンの決意の姿として痺れる格好良さ。


ギンガマン――それは、勇気ある銀河戦士の称号である。

 5人は星獣剣を手に取るやギンガの光を発動して海賊兵を蹴散らすが、そこに姿を見せる、阪神商人。
 「ギンガマン。もうバルバンの皆さんに逆らっても無駄ですよ。さっさと諦めることです」
 バルバン、殺す(船長)・捻り殺す(バットバス)・轢き殺す(シェリンダ)、みたいなメンバー構成の中で、嫌味たっぷりな台詞回しのビズネラは非常が良いアクセントで、名優・塩沢兼人の味も光ります。
 ギンガマンはバットバスのチャージアックスに吹き飛ばされ、そして――
 「ダイタニクスの復活だ!」
 3000年ぶりに目を覚ましたダイタニクスが、遂に上陸。
 「残念だったなギンガマン。野郎ども! この星には世話んなった。ダイタニクスに食わせる前に、たっぷり礼をしなきゃならねぇ。戻ってこい」
 巨獣ダイタニクスを止めるべく、東宝特撮メカならぬ星獣たちが出撃し、バンクフル使用で並ぶ3大ロボ。だが、ライノスとフェニックスは尻尾の一撃で敢えなく倒れ、ギンガイオーも初手から必殺剣を口でくわえて受け止められ、満を持して発揮されるシェリンダの凄腕パイロットぶりに手も足も出ない。
 ダイタニクスに地球を滅ぼされても困るが、かといってゼイハブを倒すには斧スキルが足りない……とこの戦いを見つめるオヤジギャグリベンジャーズ。ともかく復讐の可能性を僅かでも残すべき、と決断した樽爺がタウラスによる援護を許可しようとするが、一足早く砲弾が二人の足下に突き刺さる。
 「先生、まーさか生きているとは思わなかったぜ」
 貫禄たっぷりに二人を追い詰める船長に対し、復讐を宣言する樽爺は「儂は知っとるぞ。おまえを倒す方法を」と指を突きつけ、振り下ろされた黒騎士のナイトアックスを目にした船長は、黒騎士がアースを捨てた事を見抜く。
 「どうやら今の内に殺しとかなきゃいけねぇようだな」
 重厚な鎧姿に大ぶりなポールウェポンがよく似合って格好いい黒騎士@ナイトアックスだが、樽爺の指摘通りにヒュウガの斧スキルは未だゼイハブに届くには至らず……ここに来て、なまじ生まれつき伝説の武器が準備されているが故に、剣スキルしか鍛えてこなかった事が裏目に出る羽目に!
 というか、対ラスボス用の特殊武器がカテゴリ:斧とか、そんな伝説は後世の子供にウケが悪そうなので書き直しを要求する、と内心思っても口には出せない真面目なヒュウガ兄さんであった!
 「この程度じゃ俺は殺せねぇぜ」
 樽爺の危惧した通り、逆に船長に追い詰められてしまう黒騎士だが、そこへこの戦いをギンガイオーから目にしたギンガレッドが乱入。黒騎士の斧が傷つけた箇所に星獣剣を突き刺すも払いのけられ、黒騎士も海賊ビームで吹き飛ばされてしまう。咄嗟にナイトアックスに手を伸ばした赤だが、それはアースを持つ者には触れる事のできない材質(?)で出来ており、逆にダメージを受けてしまう事に。
 「ギンガレッド、伝説の剣の切れ味、自分でためしてみるか」
 余裕たっぷりの船長は、自らの体に突き刺さったままだった星獣剣を引き抜く、という印象的な映像から、その刃でギンガレッドの土手っ腹を刺し貫く!
 「ふん、馬鹿が」
 ギンガレッドは変身が解けながら仰のけに倒れ込み、その手首からほどける、勇太のハンカチ。致命的な攻撃を受けて苦痛に呻くリョウマの目に入ったのは、ハンカチに書かれた
 ぜったい勝てますように
 という勇太の祈り
 虫の息のリョウマは必死に手を伸ばしてハンカチを掴むも意識を失い、勇太くん、ヒロイン力が強すぎて、主人公を瀕死に追い込む。
 「あばよ、ギンガレッド」
 凡百の悪党ならここで仕留めたと思い込んで満足して帰ってしまう所ですが、宇宙海賊バルバンの頭領は、樽爺の時と同じ過ちを犯しはしない!(樽爺の時でさえ錘付けて東京湾に沈めていたので、どちらかという、樽爺が凄い)
 完全に意識を失い、ピクリともしないリョウマへ向けて振り下ろされようとする星獣剣……このまま、日曜朝のお茶の間に主人公串刺し絶命シーンをお届けしてしまうのか?! で、つづく。
 背後で色々あったらしく今作屈指の残念回だったギガ説得成功の第30話以来となった長石監督でしたが、大きな山場をしっかりと劇的に見せてくれました。あと、長石監督(なのか、コンビを組む事が多いカメラのいのくまさんなのか)は演出陣の中で一番、ちょっとしたシーンでもサヤを可愛く撮ってあげようという意識が見える気がします(笑)
 なお今回からアイキャッチイラストが、黒騎士入りのAパートと、ロボット大集合のBパート、それぞれ新作に。
 次回、生と死の狭間で、銀河戦士は再び立ち上がる事が出来るのか。今――誰のヒロイン力が一番高いのか、伝説が問う!


◆第四十二章「戦慄の魔獣」◆ (監督:長石多可男 脚本:小林靖子
 あわや惨殺寸前のリョウマは樽爺を振り切った黒騎士に助けられ、樽爺のマジックアイテムで逃亡する3人だが、背後ではギガライノスとギガフェニックスが腕を食いちぎられ、ギンガイオーも合体解除。
 「ギンガグリーン、あたしのダイタニクスで死ぬがいい」
 愛車の勝利=私の勝利と、因縁ごと緑を踏み潰そうとするシェリンダはアクセルをベタ踏みするが、寝起きに激しく運動しすぎたせいか、ダイタニクスの体温が急上昇。戻ってきた船長の命令により急遽Uターンし、海へダイブして体温を冷やす事になる。
 「まったくよ。3000年ぶりだってのに、誰かが無茶しやがるからよ! 少しはダイタニクスの事も考えろ」
 「落ち着いたら出撃する」
 シェリンダ、完全に、ハンドルを握ると前しか見えない暴走ドライバー状態(笑)
 「おまえなぁ」
 呆れるバットバスと口論になりかけるが、割って入った船長は、何故かようやく甦ったダイタニクスの背中に繋がっていたバルバン居城の切り離しを指示。ダイタニクスの様子を見て思いついた何かを、腹心たる二人に耳打ちするのだった。
 「俺たちゃもっと強くなる」
 一方、緊急脱出に成功したヒュウガは瀕死のリョウマを手当しようとするが樽爺にせっつかれ、復讐の為にのみ行動する樽爺の悪辣さを改めて強調すると共に、弟への愛情と星を守る使命、という私の情と公の大義の間で選択を迫られるヒュウガ、というのは別行動ヒュウガの存在が物語の奥行きを深めて良かったです。
 「リョウマ……俺はゼイハブを倒すために、アースを捨てた。失敗しても、後にはおまえ達が居ると思ったからこそ、出来た賭けなんだ。……リョウマ」
 「黒騎士、何をしておる。早く来い!」
 「……リョウマ……生きろ。……もう一度立つんだ! ……リョウマ…………いいな」
 タウラスという人質ヒロインの存在もあり、立ち去らざるを得なかったヒュウガは迫真の芝居でリョウマに魂のエールを残すと、樽爺の目を盗んで星獣剣でこっそりとモークへのサインを送り、らしい頭脳プレー。
 ドングリが既にハヤテ達の元へ送り込まれていた為、危険を顧みずリョウマの元へと向かった勇太がモークに教わりながら傷の手当てを行い、これまで様々な形で戦いの場に居合わせた勇太くんに、傷を負った仲間を“助けさせる”という役割を与えたのは、バランス感覚として非常に良かったです。
 ドングリの持ってきた薬で回復したギンガマンはダイタニクスの発熱に気付き、ヒュウガも樽爺から、腐りかけた事がある背中にダイタニクスの弱点があるに違いない、と聞かされる。バルバンでは海賊城が切り離されて着水し、制御を離れたダイタニクスは再び陸地へ。
 ギンガマンはリョウマ復活を信じて4体の星獣を呼び、上陸して大破壊を繰り広げるダイタニクスと、久方ぶりの大怪獣バトル。樽爺は時間制限付きでタウラスを解放してヒュウガは騎士転生し、一時期ほぼいらない子になっていたブルタウラスが、4星獣の窮地に現れてまさかこんなヒロイックな存在になるとは(笑)
 ダイタニクスの背中目がけてナイトアックスを振り下ろすブルタウラスを、ゴリラとファルコンが援護するという死闘が繰り広げられている頃、瀕死のリョウマが生死の境で思い出したのは――勇太との誓い。
 「どんなに強い敵でも、俺たちは負けない。星や、勇太達みんなを、守るために! 約束するよ」
 ギンガマン、愛とか勇気とか希望で力を得るというよりも、むしろ我々こそが愛とか勇気とか希望だ!というヒーロー力が物凄い。
 そして、勇太くん以外にも青山父や鈴子先生をはじめ、「森の外」における人々との繋がりをしっかり積み重ねてきているので、銀河戦士が銀河戦士だけの世界で完結する事がなく、前回-今回における勇太くんが積み重ねてきた繋がりの「代表」であり「象徴」として機能しています。
 なればこそ人々の祈りがある限り、ギンガマンは何度でも蘇り――死の象徴として哄笑するゼイハブの幻影を払いのけ、リョウマは目を開く。
 「リョウマ……リョウマ!」
 「……勇太」
 「……リョウマ」
 「……約束だったな。……負けないって」
 リョウマと勇太はがっちりと抱擁をかわし、勇太くんの凄まじいヒロイン力よ!!
 今年見た特撮作品では、メレ様(『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)がぶっちぎりでヒロインレースを優勝するかと思っていたのですが、最終コーナーを回って勇太くんが物凄い勢いで追い上げて参りました(笑)
 またここで、勇太くんの献身だけで復活すると「奇跡」の匂いが強くなりすぎるところを、ヒュウガと二段構えにする事で「戦士の誓い」と「守りたい存在との約束」という二つの支えで立ち上がるというのが良く出来ています。
 勇太くんに負けじとヒロイン力を発揮したゴウタウラスがゴウタウラスなのでやはりピンチに陥っていたその時、ダイタニクスの背中に吹き付けられる渦巻く炎。甦ったギンガレッドが銀河ライオンと共に参戦し、大転生。シーズン的にクリスマスだったのか、前回-今回とバイタス含めて出撃シーンのフル使用でライノスとフェニックスも戦線復帰し、機械の体、ベンリ。
 史上最大の魔獣に挑む4大ロボは、先陣を切ったタウラスがナイトアックスで尻尾を切断すると柳生アックスクラッシュを炸裂させ、ライノス&フェニックスが星獣拳ギガビーストスピンで追撃。
 「バルバン、許さん!」
 そしてリョウマの雄叫びがギンガイオーの眠れる力を呼び覚まし、放たれた銀河獣王無尽斬りにより、ダイタニクスは木っ葉微塵に消し飛ぶのであった!
 喜びを分かち合う間もなく樽爺の魔術によりタウラスは再び閉じ込められ、オヤジギャグリベンジャーズは復讐の斧スキル上げの旅を再開。ギンガマンは基地へ帰還し、モーク・勇太・ボックと5人は勝利を噛みしめる。だが……
 「ダイタニクスが、死んだか。……ふふふふふふふ」
 3000年ぶりの復活から今日まで、こだわり続けてきたダイタニクスの死を、なぜか喜びを持って受け止めたバルバン上層部は高笑いを重ねるのであった……で、つづく。
 予想外に早い復活で物語の流れに大きなアクセントを加えてきたと思ったら、新展開への布石としてダイタニクスあっさり退場、と畳みかけてきましたが、これを受けての最終章に、ただただ期待です。
 復活前後編で散ったダイタニクスも、ここまで圧倒的だったギガシリーズを蹂躙する事で脅威を見せ、ギンガマンを壊滅寸前に追い込む大活躍。破壊規模といい爆発といい、3クールを引っ張った大物として納得できる存在感を示してくれました。復讐を第一とする樽爺が、放っておくと地球が滅びるので一時的にタウラスを解放、というのも十分な説得力がありましたし、最終章への布石に要点を置きつつも、ダイタニクスが虚仮威しに終わる事がなかったのは良かったです。
 次回――青山父のイラスト(格好いい)で戦いを振り返る総集編。