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ライダー界の叛逆者

仮面ライダージオウ』感想・第2話

◆EP02「ベストマッチ2017」◆ (監督:田崎竜太 脚本:下山健人)
 見所は、ゲイツキックを受け止めて思い切り弾き飛ばすツクヨミロボ。
 殺伐とした未来世界から来ただけあって、割と容赦ありません。
 いいライダーは、死んでいるライダーだけなのです!
 さて第2話、見ていても話の筋がさっぱり掴めないのですが、要点だけ掴んで貰えれば細かい筋はわからなくても大丈夫、という意識で作っているのか、見続けていると徐々に点と点が繋がってある時に全貌が把握できるようになる、という意識で作っているのか、整理して見せているつもりで整理されていないのか、今のところなんとも。
 とりあえず、
 ソウゴ観察派:ツクヨミ
 ソウゴ抹殺派:ゲイツ
 ソウゴ支持派:マネージャー
 別魔王擁立派:タイムジャッカー
 であり、ジオウは他の仮面ライダーの力を吸収する事で完成形であるオーマジオウに近づいていき、ジオウに仮面ライダーの力が吸収されると、仮面ライダーであった事実そのものが無かった事になりその時空の歴史が書き換えられてしまう……という事のようですが、書いている時点でこの解釈でいいのか不安になってきました!
 タイムジャッカーの行動目的とか、なぜ歴史ごと書き換わるのかとか、肝心の部分が説明を省かれているのは、小出しに情報を積み重ねていくスタイルかとは思われるのですが、その割に戦兎が突然、「どうやら俺たちの力は消えるみたいだ」と状況を把握して悟ったような事を言い出すので、大変意味不明。
 気になるのは劇中で「仮面ライダー」とは何か、が一切定義付けられないまま、その「力」だけが象徴化されて規定事項のように扱われていて、仮面ライダー」について個々の受け手の思い入れに過剰に依存した構造になっている事ですが、そういうお祭り作品として割り切って楽しむのが一番、というメッセージを感じつつも、力を委譲する事により「物語が消える」という事になんらかの意味があるといいな、とは思います。
 構造的には「消える」というよりも、ジオウの中に(によって)「物語が継承される」と捉えた方がいいのかもですが。
 ……というか、タケル殿は、始まる前にゲイツに消されたの???
 ゲイツといえば、あまりに自然で前回気付かなかったのですが、本人の名前がゲイツで、仮面ライダーゲイツを名乗っているのか!
 つまり過去作で言うと、仮面ライダーとか仮面ライダー光太郎とか仮面ライダー役立たずさんとか、そういう事なのか!
 そのぐらい根性が太くないと、殺伐とした魔王世界では生き残れないのですね!
 そんな魔王候補の主人公ソウゴは、タイムジャッカーに向けて啖呵を切るという見せ場で、8割方おじさんの受け売りというまさかの空中殺法を決めてきましたが、ある種のリアリティはありつつ、フィクションのヒーローとしては大変心ともなく、第1話に引き続き、掴みにくい、という印象。
 自分の命を狙っている相手を迷わず助けたり、異常にアグレッシブだったりと器の大きさは見せてきましたが、いきなりの「戦兎」呼びとか、やはりただの失礼なヤツなのでは……という疑惑が消えるどころか増してしまい、「王様になりたい」という夢との位置関係は、早めに見たいかなと思うところです(動機や背景というより、客観的にどのぐらい本気で王様を目指しているのか、という部分)。
 今回の露骨な受け売り発言は、前回の見せ場での「王様」発言も、実は誰かの受け売り――例えば実父とか――である、というほのめかしと取れなくもないですが、さて。
 ところで、如月弦太朗でさえ先輩に「さん」を付ける事で知られるライダー縦社会において、先輩ライダーを呼び捨てにするという神をも恐れぬ所業は、まさに魔王! なのかも。
 前情報からの予想通りではあるものの、個人的にこれだ、というフックが今回も特に生まれず、熱がなかなか上がってこない状態ですが、前回に続いて今回も高らかに朗読を始めたマネージャーさんは面白いので、今後も期待したいです。
 「祝え! 全ライダーの力を受け継ぎ、時空を越え過去と未来をしろしめす時の王者。その名も仮面ライダージオウ<ビルドアーマー>。まず一つライダーの力を継承した瞬間である」
 マネージャーさん、前回-今回で唯一、力の責任について主人公に指摘してくれた人物なので、きっといい人。
 「勝利には相応の責任が伴う。……その覚悟がおありか?」
 「望むところだよ」
 仮面ライダーの責任について、何か伝えてくれるのかと思ったら全くそんな事はなく、出番の大半を漫才で費やした戦兎×龍我ですが、出てきた甲斐はさておき、前作のノリを継承した小芝居は楽しかったですし、ビルドアーマーの変な数式キックは一発ネタとして面白かったです。……しかし今後も、行く先々のライダー時空で、ライダー2人がイチャイチャしているのを見学するフォーマット、にはならないで欲しいと祈ります(笑)
 ……そういえば、アナザービルドの素体の人は助かったようですが、フルボトルの素材にされた人々は、元に戻ったのでしょうか(不穏)。
 ソウゴをどう扱うべきか図りかねている様子のツクヨミと、ツクヨミロボにはたき落とされる・ジオウにバイクで逃げ切られる・アナザービルドを倒せず疲労困憊・成り行きで魔王の言うがままに共同戦線・なんかいつの間にか絶対抹殺から方針が後退している、と、いいとこなしの上に早くもブレまくりのゲイツは、常磐ソウゴという人物を見定めるべく時計屋に下宿する事に。
 タイムマシンを乗り逃げされ、寺の境内に半日立ち尽くす羽目になったツクヨミはソウゴの握手を拒否し、これ絶対凄く怒ってる!で、つづく。