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ガイア始めました

ウルトラマンガイア』感想・第1話

◆第1話「光をつかめ!」◆ (監督:村石宏實 脚本:小中千昭 特技監督:佐川和夫)
 なんか、頭から、うにょんと伸びた!
 城南大学・量子物理研究室で研究を行っている主人公・我夢(ガム)は、人の意識を粒子加速領域にシンクロさせるシミュレーターの使用中、そこで赤い光の巨人――ウルトラマン――と交感する。
 一方、ワームホールから地球に飛来した巨大な水晶のような物体の中から、巨大生物が出現。出撃した防衛隊の戦闘機を事も無げに撃墜すると、街を破壊のるつぼへと叩き込んでいく……。
 「これの事か……これの事だったのか?!」
 突然の巨大生物の襲来を、90年代大学生ライフ・前のめりな報道クルー・謎の秘密部隊、の3つの視点から描くという凝った構成で、特に秘密部隊は、前半は口元か目元のアップだけしか見せないという演出なのですが、中盤に入るとごく普通に全身が映り、どうせそういう演出をするのなら、もっと劇的な切り替えのタイミングがあった方が良かったかな、と。
 既存の防衛隊の攻撃が全く通じない巨大生物に対し、飛行要塞から六角形の立方体が射出されると、それが空中で新型戦闘機に変形する、というギミックは印象的で面白かったです。
 だが新型戦闘機は巨大生物に多少のダメージを与えて足を止めるも次々と撃墜され、何やらその開発に関わっていたらしい主人公、パイロットにダメ出し。
 「間に合わなかったのかよ?! 僕たちが、今までやってきた事は……全然、間に合わなかったのか?!」
 どうやら、ある種の天才頭脳集団が来たるべき災厄に向けて準備をしており、主人公もその一員であった、という事のようなのですが、主人公は秘密部隊とは直接の面識がなく、その辺りの背景は詳しく説明されないまま次回以降に持ち越し。
 ファイター部隊は撤退を余儀なくされ、巨大生物の猛威の前に逃げ惑う人々、降り注ぐ大量の瓦礫……反撃から一転、悲劇へというシーンでのBGMの色調の変化が、主人公の感情への同調を助け、破壊の映像を印象づけつつ次の叫びに巧く繋がったのが秀逸。
 「どうしたらいいんだーーーーー?!」
 まるでその叫びが、何かの蓋を開いたかのように、突如、静止した時間の中に入り込んだ主人公は地面に吸い込まれ、そこで再び赤い光の巨人と出会う。
 ウルトラマン……。地球が危ないんだ。僕は君になりたい。君の光が欲しい。僕に力を!」
 冒頭の実験シーンの後、「ウルトラマン」という単語に覚えはない、と口にしていたので、どうやらこれは脳内記憶のようなのですが、ものすっごく唐突な告白(笑)
 ここまでかなり一つ一つのシーンを丹念に描いてきていたので、主人公のいきなりの飛躍に面食らいましたが、この辺りも次回うまくはまってくれる事を期待したい。
 ウルトラマンと重なり合い、光を宿したガムは、ウルトラマンの姿で地上へ。
 「光の、巨人……?」
 でつづき、〔ワームホールから飛来した謎の巨大生物・市民の反応とパニック・秘密部隊の秘密兵器出撃!〕を非常にじっくり描いた上で、謎のウルトラマン誕生!のシーンで戦闘がないまま終わってしまう(そのフォローとしてか冒頭の脳内世界で軽い戦闘あり)、という、かなり大胆な第1話。
 物語としては色々、次を見ないとなんともという作りですが、ミニチュアの大規模な浸水破壊、ファイター出撃、と力の入った特撮でフックとなるスペクタクルは十分に用意されており、その中で何より目を引くのは、エキストラが滅茶苦茶多い。
 物凄く気合いの入った第1話だったのか、放映当時(1998年)の円谷にはTVシリーズでこのぐらいできる体力が普通にあったのか、はわかりませんが、今見ると、劇場版レベルのエキストラ数が衝撃。
 近年の『ウルトラ』シリーズはファンクラブ会員からエキストラを募集しているようで、比較的多めのエキストラで怪獣バトルにリアリティを付加していますが(やはりモブ市民エキストラの扱いは、戦隊やライダーと比べて全般的に巧い)、それと比べても非常に多く、よくこんなにエキストラ招集して撮影できたな……という所に一番目が行ってしまいました(笑)
 時代のトレンドとしては、ポスト『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)の時期なので、絵作りや劇中におけるリアリティの持ち込み方に意識している部分があるのかなと感じますが、その中でどう、秘密部隊とウルトラマンを見せていくのか、主人公のうにょにょー体験がどう関わるのか、次回を楽しみにしたいと思います。
 というか、みんなが配信を見ないと『ガイア』世界が歴史改変されてしまう! という脅し方が凄いと思う公式(笑)
 〔9/5(水)は『ウルトラマンガイア』放送開始20年!/円谷ステーション〕