東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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12/3付けレス

 本日は『ウィッチブレイド』感想を書きました。

DONDON修羅場

◆aquapastelさん
 >ソノニが「犬塚翼がいないようだがどうした?」と聞けば正体バレ問題が一発で解決したと思うのですが
この辺り、ソノイ→タロウ、ソノザ→はるか、同様、個人的に気にかけてはいるが、ドンブラザーズ全体としてはあくまで邪魔者、という仕事とプライベートを切り分ける姿勢が、キャラ同士の距離感として、ドンブラとソノーズ、双方において機能しているのも巧妙ですよね。
 >今回の特捜鬼に変身するおでん屋の親父を演じたのは「轟轟戦隊ボウケンジャー」で大神官ガジャを演じた大高洋夫さんです。
さすがベテランのバイプレイヤーだけあって、きっちり別人になってきますよねー。店主と鬼で、演技を変えてくるのも、上手くはまりましたね。
 >広瀬さんとか村上さんとか、折角の井上×白倉タッグ作品なので1話くらい特別ゲスト出演してほしいなーと思っていたり。
井上×白倉だと、馴染みの役者さんを終盤に出してきて、役者力で強引にボスキャラ感の説得力を出してもらう、をやる可能性はまだ残ってますかね……(笑)
 >加藤監督並みに安定したローテ入りが遅かったのは他には同じくデビュー後にニチアサ以外での仕事が多かった竹本昇監督くらいで
竹本監督、00年代初期からローテ定着していたイメージだったのですが、改めて見てみると、そうでもないんですよね。『タイム』や『ガオ』の頃の監督発言を聞くに、シリーズ過去作への思い入れの強さから、あれこれ重宝されていたようでありますが。
 >デビューして来年にはもうメインローテ入りしている監督が割と多く
この辺りは、本編デビューさせたからには……みたいな流れもあるのでしょうね。やはりまあ、その時の制作サイドの事情もあれば、師匠筋やプロデューサーの引きなど、人間関係のあれこれも含めて、色々な物事が絡むのでありましょうが。
 >近年はネットムービーが多数展開されているので、そちらに回されている、という感じでしょうか。
監督業がフリーランスである以上、ネット配信でお金や仕事を回せる状況そのものには東映-演出家の双方に利点はあるのでしょうが、バランスが上手く取れてはいないのかな……というのは、どうもありますよね。
 >東映特撮の撮影現場は労働スケジュールの管理がしっかりしている...とは言えないのは残念な部分です(^^;
この辺りホント、プログラムピクチャーの会社の伝統というか、悪い意味で体質を感じますよね……。東映のみならず……な部分もあるのでしょうが、作品を安心して楽しく見る為にも、改善されていってほしいところであります。

◆CT-7564さん
 >あくまでも社会の中の“人”としてのやり方で攻撃を加えたのですが、その姿は下手な鬼よりもはるかに恐ろしいという……
強烈な雉野インパクトでしたが、人間の理屈の中で魔性を見せる事により、ヒーロー作品としては逆に、怪人退治の理屈から外れてしまう存在になる、というのは、ここに来て表出する狂気と恐怖、として鮮やかでしたね……流し加減になっていたロン毛回の一件も活きてきそうですし。
 >果たして彼の力を持ってして「“人”として深い業を背負った男」を救うことはできるのでしょうか……
獣人との関係においては一度は刀を収める事になりましたが、それに続けて終盤に来てタロウの前に、これまでやり方では救えない者が現れている……と見ると面白いですね。
 >冒頭でお供3人のうち雉野だけ額の「脳人」の文字が消えていた
絆創膏つけたままシリアスやるのもな、と納得していましたが、考えてみれば他の二人も別に引っ張らなくて良かった要素ですし、確かにわざわざ区別を付けたのは意味があるかもですね……繋がるか繋がらないかとは別に、こういった「仕込みの可能性」を散りばめる事による面白さの作り方も、お見事だな、と。

◆ピンクまさん
 >火薬を詰めまくった爆弾を爆破するとこんなに面白いんだよってお手本のようなテンポの良い展開が面白かったです。
ここに爆弾がありますよー……とやってきて、時間をかけて詰め込んだものを、徹底してちゃんと爆発させてくれる、というのが見事でしたね。
 >最後に修羅場を経てまさかの逮捕という流れも痺れました。
今回は大きなターニングポイントという事もあり、ここまでに広げてきたカードの使い方が、ホント素晴らしかったですね。割と酷い修羅場をやっているのに、ソノイ復活への流れで凄く笑える、という緩急も実に計算が効いていましたし。
 >あと言及されてないようでしたが、ガジャ様の演技も最高でした笑
クレジットを見て、大高さんだーと思いつつ、考えてみると私、ガジャ様の素顔を見た事がなく、なんとなく戸惑いながら見ていました(笑)

『ウィッチブレイド』ざっくり感想5

君の遺伝子が狙われている

 第17話「錯」。
 鷹山が手を回して法的にも梨穂子の母親となり、名前もまた公的に取り戻した雅音は、「梨穂子をウィッチブレイドの継承者にさせない」意識が高じるあまりに、度を超えた過保護ぶりと歪さを増すアイデンティティの依存を見せると共に、その体にもなにやら異変の前兆が……。
 一方、ナソエフの研究者・西田から手に入れたデータを元に、男性も装着可能なアルティメットブレイドの完成を宣言した和銅は、鷹山の鼻を明かして足を引っかけ、無様に地面に這いつくばったところを「鷹山。俺の名を言ってみろ」をやろうとするが、逆に足を取られて関節技に持ち込まれ、絶望的なK.O.負けを喫してしまう。
 ……鷹山局長、必要以上の屈辱を業務上のライバルに与えて、余計な恨みを買っていくスタイル。
 天羽母娘に生じていく歯車のズレと、ウィッチブレイドの背後で暗躍する各勢力の動向が入れ替わりで描かれ、最終盤へ向けてキャラクターの整理も加速していく中、色々思わせぶりに描いてきたけど、この人にこれ以上の奥は特にありません、といった感じで急に小物ムーヴを連発する瀬川は、幾らなんでもちょっと雑だったような(笑)
 重役会議で凄絶な自爆技を放つ羽目に陥った和銅は、なにやら邪悪な閃きに突き動かされ、ほら局長が必要以上に追い詰めるからーーーと、ほぼモブにしては割と画面端で出番と台詞のあった和銅秘書が多分アルティメットブレイドの装着を強制されて、深夜の街に新たな鋼鉄の魔獣が解き放たれたところで、つづく。

 第18話「転」。
 アルティメット八木……!
 理想の人物だった父親を尊敬する余りに、自分が唯一、父親から受け継げなかったもの――子孫を残す能力の欠落――は、父が愛した女すなわち母親に原因があるに違いない、と実母への身勝手にして深い憎悪を滾らせていたファーザーの目的は、自らの遺伝子を用いて生まれた“娘たち”の中から選び抜いた完全なる母胎を作り出し、その母胎から、今度こそ“完璧な自分”として生まれ直す事。
 ファーザーの思惑が明らかになると共に、西田が和銅に研究データを売り渡したのは、ファーザーの遺伝子しか使えない環境に不満をくすぶらせていた為、と理由付け。
 その和銅の関与が窺われる情報リークにより、エクスコン絡みの工作が表沙汰になると、糾弾の矢面に立たされた鷹山が辞職に追い込まれるのですが、これまでの所業が所業なので、身から出たサビ以上の感想は出てきません(笑)
 とはいえ、やけに余裕たっぷりだし、和銅秘書の後釜となった瀬川は、前回の小物ムーヴを経ている為にかえって胡散臭い(しれっと鷹山に繋がっていそう)しで……前回の雑な描写は、実は視聴者に対する有効な煙幕だった……のか……?(笑)
 まあ鷹山の場合、捲土重来の戦略があるわけでもなんでもなく、「こうなる事は最初から覚悟していた。俺はやれるだけの事はやった。後はおまえ達が、好きにするといい」とか、部下その他は完全に放り投げた上で、やりきった男ムーヴをしてくる可能性も捨てきれないので、雅音パンチか梨穂子パンチがいかつい顎に炸裂するのかもしれません。
 その鷹山にしても、和銅さんよりは小指の先ほどマシそう、ぐらいなもので、導示重工(改めて凄い名前)が滅茶苦茶やっている事に変わりはなく、軍需産業を背景に据えつつ、やむを得ない事情もあったとはいえ、主人公からして巨大企業の隠蔽工作に関わっている内にすっかり慣れきってしまった今作、白と黒で割り切れない世界の諸々に、どの辺りで落とし前をつけようとしてくるのか、は見物です。

 第19話「思」。
 局長の椅子を手に入れた和銅からの当てこすりを、そもそも普通に仕事をしているだけなので、派閥の上司に殉じて腹を切れとか言われても困りまーす、と瀬川が流していた頃、別荘に引きこもった鷹山は、思ったよりわびしい生活を送っていた。
 なんか、この人やっぱり、仕事以外完全駄目人間なのでは。
 和銅の差し金で別荘に送り込まれたアルティメット八木との戦いで、久々登場もあっさりピンチに陥るウィッチ雅音だが、絶体絶命の危機にシャイニング。第19話にして白髪の第二形態となると八木を瞬殺し、さらばアルティメット八木……今作のエネミーポジションでは、電子レンジエクスコンの次ぐらいに好きでした。
 一方、赤青ツインテールをやめて、どこか玲奈の面影の見える髪型にモデルチェンジしたまりあは、人形の呪縛を自ら解いてファーザーを暗殺し、断末魔に醜態を示す首領キャラって素晴らしい。
 まりあ、ヒステリー小娘の時代はてっきり、ラスボスの一つ手前ぐらいのところで雅音に敗北してなんか可哀想な感じに消えていくみたいな扱いだとばかり思っていたので、この出世には驚きましたが、ちょっと富野作劇っぽいといえばぽい(笑)
 それにしても再登場の編集長は、斗沢の過去を知っていて気を回せる・一児の母として雅音にアドバイスを送れる・トドメに仕事の出来る美人、と第16話で突然出てきた割には、バランスブレイカー過ぎる(笑)

 第20話「願」。
 「全てを得るための力を――この手に」
 ファーザーを抹殺したまりあはナソエフ日本支部乗っ取りを敢行し、これまで導示にしろナソエフにしろ、“未知の巨大な力”であるウィッチブレイドを手元に管理して利用したい一方で、それはあくまで目的の本体では無かったのですが、ここに来てとうとう、“力”そのものを求める存在が大きな舞台に上がってくる事に。
 アルティメット八木敗北の記録映像を目にした西田が、和銅と共に雅音捕獲作戦を進行させる一方、鷹山は雅音になるべく戦わせない、と方針を転換。
 こうなってくると、まがりなりにも鷹山が会社を離れた事で(在職時のあれやこれやが消えて無くなるわけではないとはいえ)、ダーティな巨大企業のルールで動かなくて済むようになったのに加え、梨穂子の父親である事を認めた事により、雅音がいつ消滅しても大丈夫な準備が整えられつつありますが……鷹山がずっと抱えていた死亡フラグが、雅音に移譲されたというか。
 とはいえ鷹山、あの性格だと起業は難しそうだし、どこかに雇われて頭角を現すには、前職に難がありそうだし……鷹山が上手く社会復帰する為に必要な人材は…………瀬川?
 ここまで来たらアルティメット瀬川も見たくはあるのですが、「やぁ~、会社、潰れちゃいました」とへらっと鷹山の元に雇われに来る瀬川も、それはそれで見たい(笑)
 もはやこの世界の正義は、梨穂子を安定して食べさせてあげられるかどうか、といっても過言では無いので、果たして鷹山は、定職を手にする事が出来るのか。とりあえず、来年度の住民税と固定資産税を払う事はできるのか?!
 そんな鷹山が、雅音の陰謀により、梨穂子と二人で親子デートに繰り出す事になり、そうか、財産は、普通に持っているのか。そして当然のごとくズレまくった対応をし、この人の財産は、一度全て差し押さえた方がいいのではないか。
 からの変身バレで、灰髪の魔女の姿を梨穂子に受け入れられる雅音だが、いよいよその肉体には限界が迫っているのだった。
 と、結末へ向けて主人公の退場フラグが着々と積み重なっていく今作、小林脚本といえば、念入りにキャラクターを追い詰めた上で、物語世界のルールを上手く活用(或いは劇的にブレイクスルー)して盤面をひっくり返してみせるのが一つ持ち味ですが、果たして今作ではどうなりますか。
 2クールアニメという媒体も含めて、あれこれ着地点が読み辛いのは面白みであり。

12/2付けレス

 本日は『ドンブラ』感想を書きました。

シベリアから水星

◆aquapastelさん
 >辻真先さん、凄いお方ですよねぇ。
最近になって改めて、TV作品の脚本家としても、作家としても、凄まじいキャリアだな、と戦慄しております……。
 >しかも現在流行りのアニメなどもしっかり拝見しているらしく
そしてこれがまた、凄いですよね……御年90歳にして、流行りの作品をチェックしつつ、感想も発信されている現役ぶりはホント、良い意味でとんでもない方だな、と。
 >「水星の魔女」
未見なのですが、現行作品から、『ターンエー』などの感想を思い起こしていただき、ありがとうございます。「家に帰ろう」は富野監督の作家的テーマの一つだと思っているのですが、『水星』シリーズ構成の大河内さんは富野フォロワーらしいので、エッセンスとしての意識があったりすると、嬉しいなとは思うところです。
 >水星の魔女はどうやら分割2クールで実質半年間の放送になるらしく
作画を安定させつつストーリーを決め打ちで作れるなら、やはり、やりやすい手法なのでしょうね。
 >夏休み中の話を進めないための箸休め展開の筈なのに、見た後いつも以上に物凄く疲れました(^^;
良くも悪くも、石田×井上で、ギャグ全開されると、感情の振り幅が疲れますよね(笑) 展開も描写も、平気で、え? そんな事やるの? みたいなの突っ込んできますし……。
 >石田監督にも後残り少ないですが「ドンブラザーズ」にスポット参戦してもらえれば...
戦隊云々という以上に、2022年に、石田×井上で1本、というのは面白いですね。凄く真面目な回を凄く真面目に撮ってくれても、それはそれで、と思いますし。