東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

一つのゴミを拾うのは 無限の未来を救う事

海賊戦隊ゴーカイジャー』感想・第23-24話

◆第23話「人の命は地球の未来」◆ (監督:坂本太郎 脚本:香村純子)

 ――待ってろよ 生きてろよ 絶対そこに辿り着く

 「人助けが出会いを導くゾヨ」との鳥占いに従い、3組に分かれて街へ繰り出すゴーカイジャー。マベ&鎧組はひたすら老人が階段を登るのを手伝い、ジョー&ハカセ組は落としたイヤリングを親切に拾ったお礼にお姉様に迫られ、ルカ&アイム組は臨月の妊婦とその娘に出会う事に。
 陣痛を起こした妊婦を助けて出会った通りすがりの女性が、救急救命士にしてゴーゴーファイブのゴーピンク・巽マツリと母娘から伝えられ、戦隊ヒーローの存在が当たり前の世界に、見ているこちらも段々と慣れて参りました(笑)
 マツリの元に向かうルカ&アイムだが、急患の少年を運ぶためにマツリが乗り込もうとした救急車がゴーミンの襲撃を受け、一体全体ザンギャックはどんな作戦を……と思いきや、全ては“大いなる力”を狙うバスコの差し金。
 「あーあ、ザンギャックのふりしてこっそりやろうと思ってたのに、結局こうなっちゃうんだもんな~」
 少年を救いたければ“大いなる力”を渡せ、といやらしい取引を持ちかけるバスコに対し、少年の命には代えられない、と力を渡そうとするマツリだが、ルカが強引にそれを止め、救急車の中でしばらく話し合い。
 「人の命は、地球の未来。この子の命を救う為なら、“大いなる力”なんて!」
 「そうじゃない!」
 ルカはかつて病気の妹を失った過去を語り、マツリは急患と共に病院へ行くべきだと主張。その為には「無茶でもなんでもあたしがやるしかないの!」とバスコを足止めする為に無理をしようとするルカに対してアイムが声を張り上げ、独り相撲になっていたルカを止める。
 「もっと頼って下さい。もっと信じてほしいです。わたくしは、いつまでも守っていただくばかりの、妹分で居たくありません!」
 「アイム……」
 「……ったく、いつまで待たせるかなぁ」
 そして外では、割と律儀にバスコが待っていた。
 「そうだね……そうだよね……。あんたは……あの子とは違うんだもんね。……どうしようアイム、どうしたらいい?」
 ルカがなにかとアイムに甘い(構う)のは、死んだ妹の姿を無意識に重ねていたからと明らかになり、貧民街的な生まれが仄めかされていたルカの過去を掘り下げると共に、何もできないお姫様である事を良しとしないアイムの“変わろうとする”強い意志を示し、セオリーに則りつつ、ここまでの積み重ねと両者の関係性の変質を、巧く接続。
 しびれを切らして実力行使に出ようとしたバスコをマジピンクの変身能力で一杯食わせた黄桃が、バスコの繰り出すリン夫婦&ズバーンキーのトリオ攻撃に吹き飛ばされたところで、ようやくかけつけた男衆が、二人をキャッチ。
 「よお、待たせたな」
 「待ったわよ!」
 マベがルカを、ジョーがアイムを拾い、役者本人によるお姫様抱っこというのは、なかなか珍しいような。……ここまでの距離感の描き方としては逆の方が盛り上がるもとい頷けるのですが、何者かの組織的抵抗を感じます……じゃなかった、主がルカ寄り&マベちゃんの方が筋力があったのでしょうか(実際、ジョーは割とすぐアイムを下ろしている)。
 「やっほーマベちゃん。また俺に会いにきたの?」
 「……マーベラス
 「わかってる。今日は人助けしねぇとな!」
 鎧の参入後にはだいぶ変化が目に見える形になりつつも、理由付けを忘れない、らしい台詞から、海賊戦隊はゴーカイチェンジ。
 「ゴーミンちゃん」
 いやらしい台詞回しでバスコもこれに応え、海賊戦隊は更にゴーゴーファイブへとゴーカイチェンジ。炎を突き抜ける演出から連続攻撃でリン夫婦&ズバーンキーを倒すが、今回も回収&巨大ロボ召喚で、便利だサリー。
 火曜日担当メランちゃんにマジファイヤーを吸収されてパワーアップを許すゴーカイオーだったが、マツリに託されたゴーゴーファイブの“大いなる力”を発動すると、飛び出す消防ホース(笑) 迸る高圧水流でメランちゃんの炎をかき消すが、トドメはプロミネンスだ!
 「あー、良かった。赤ちゃんは生まれたし、この子も元気になったし、アイムは一人前の海賊に一歩近付いたし?」
 万事めでたしめでたしで、なんだか今回は割と酷い目に遭っていた気がする男衆は、いつも以上に仲睦まじく寄り添うルカとアイム(何者かの組織的陰謀を感じます)の姿を微笑ましく見つめて、つづく。
 「ギンガ」「ボウケン」と濃いめ(原典要素多め)のレジェンド回が続きましたが、今回は比較的初期寄りのバランスで、原典から「命を救う」事をテーマにしつつ、あまりレジェンドの押し出しは強くない構造(出番自体は最初から最後まで満遍なくありましたが)。
 原典の視聴を途中リタイアしているというのもありますが、どちかといえばマツリよりも、立ちはだかるゴーミンの群れに突っ込んでいくタクシー運転手や、ヤバそうな連中に囲まれながらも少年の救命活動に尽くす救急隊員たちという、地球人の“慣れ”の方が印象に残ったり(笑)
 過去を振り切れずにいたルカと、前進を続けるアイムを巧く絡めて両者の関係性を掘り下げつつ、シリーズ的に女性メンバー二人体制の場合「姉的/妹的」なキャラ付けと対比をするパターンが多い事を踏まえた「スーパー戦隊史を包括した女性コンビ回」ともいえるのは、戦隊マニアだという香村さんらしい視点であったでしょうか。
 次回――好き勝手やりやがって!

◆第24話「愚かな地球人」◆ (監督:坂本太郎 脚本:浦沢義雄

 ――「俺の怖い顔を見て悲鳴をあげ逃げるとは、常識のあるおばさんだ。根性をたたき直して、非常識にしてやるぜ」

 「宇宙人をタコ焼き屋の弟子にしようなんて、あたしが許しても、保健所が許可しない」
 浦沢義雄×坂本太郎のコンビ再び! そして、ジェラシット再登場(笑)
 「どうしたの?」
 「ザンギャックに、粗大ゴミとして、捨てられました」
 「困ったねぇ……えー……粗大ゴミは、電話して、指定された粗大ゴミ用のシールを貼って、捨てないと」
 そっちか! と念入りな注意書きの読み上げが、冒頭から大変、浦沢脚本です。
 「あんた、生きてんだからさ、生ゴミとしてなら回収してくれんじゃないの?」
 ……てこれ、落ちぶれた悪役がゴミ捨て場に転がってるネタだ!
 第14話においてゴーカイサムライ斬りを浴びながら生き延びるもインサーンに見限られてザンギャックを追放されたらしきジェラシットは、タコ焼きの匂いにつられて屋台に近付き……タコ焼きを餌に、人語を解する人間大の宇宙人に対して「ペットにならないか」と持ちかける店主がだいぶ怖いのですが、ゴミ捨て場に転がる生物に対して「生ゴミで回収してくれるかも」と言ってのけるおばさんに続き、一般市民の倫理観の壊れ方が見る側の正気を激しく揺さぶってきます。
 ちなみに、『激走戦隊カーレンジャー』第12-13話では、激走斬り(巨大ロボの必殺剣)を根性で生き延びた怪人が2話連続で登場するのですが、このネタは頭にあったのかなかったのか(笑)
 たまの外食に繰り出した海賊たちは鎧のお薦めのタコ焼き屋に向かうが、そこで芸を仕込まれているジェラシットを目撃して悪夢のカーレン回を思い出し、回れ右。
 「相変わらず……意味がわかりませんね」
 「帰るか」
 だがそこに、ザンギャックの宇宙最強ぶりを宣伝する事で地球人を精神的に屈服させようとする宣伝行動隊長が通りすがり、(元)ザンギャックが地球人のペットとなっている光景を許すわけにはいかないと、ジェラシット(&タコ焼き屋)を攻撃。海賊戦隊はタコ焼きの為に大変やる気なくゴーカイチェンジし、不利となった宣伝隊長は一時撤収。
 「あいつもそういうタイプか」
 世の中は、逃げるヒーローと、逃げる怪人のどちらかで構成されています。
 ザンギャック旗艦では、戦闘カメラに映ったジェラシットの姿に殿下とインサーンが揃って職場を放棄してダマラスに作戦が丸投げされ……なんだか最近、ザンギャックがほぼコミカルなシーンでしか出てきていないような。
 ペットの件はさすがに問題視されて店主はジェラシットに謝罪し、代わりにタコ焼き屋に弟子入りしてはどうかと進めるゴーカイジャー。色々な境界線が軽々と飛び越えられていきますが、海賊戦隊も広く宇宙人であり、今回登場する地球人の対応がザンギャックばりに酷いので、宇宙人同志の妙な連帯感にいきおい変な説得力が生まれていない事もない気がしてくるのが、実に浦沢マジック。
 ところが弟子入りの件は店主母(冒頭に登場したゴミ捨ておばさん)の強硬な反対に遭い、その物言いに段々引っ込みがつかなくなってくる海賊達。そこに雪辱を期して乗り込んできた宣伝隊長がザンギャックに対する「生ゴミ」発言に対して怒り狂って成り行きで戦闘に雪崩れ込み、順調に酷い感じに(笑)
 「ったく、好き勝手やりやがって」
 いったいどこの誰に向けた台詞なのか、混戦の中で宣伝隊長のザンギャックバズーカが放たれるが、その砲撃から身を挺して店主母をかばうジェラシット(笑)
 「こんな素晴らしい宇宙人が居たなんて……私は、なんと愚かな地球人」
 ――この時、店主母の心の何かが変わり、大の字になって地面に倒れたジェラシットを囲んでよくわからない空気になるが、普通に起き上がるジェラシット。
 「ここで死ねれば、ドラマチックだったんですけど」
 「おまえ……本当は凄く強いだろ」
 ゴーカイサムライ斬りを生き延びましたからね……。
 ゴーカイジャータイムレンジャーとなり、その背後で、凄く普通に親子をカバーリングしてるジェラシットが格好良く見えてきて困ります(笑)
 ベクターエンド影の舞からファイナルウェーブが放たれ、コメディ系の演出の印象が強い坂本太郎監督ですが、前半戦では殺陣の中での個別名乗り、ここではファイナルウェーブの描写にきっちりと尺を採り、割とフル名乗りやバンク必殺技など、“戦隊の基本”を大事に取り込んでくれる印象あり。
 溜息をついたダマラスが初めての巨大化光線を放ち、巨大戦では追加モーションから先制のスターバースト。拡声器攻撃で反撃を受けるも、ときめき変形・ライオン召喚・サムライ斬り・ドリルドリームの二大ロボ連続攻撃で、成敗バイ。
 戦い終わってしばらく後、ジェラシットのタコ焼き屋を、開店祝いの花輪スタンドを抱えて訪れる海賊たち。
 「もしかするとタコ焼きって、宇宙でも流行るかもな?」
 「宇宙にはタコが居ないぞ」
 「火星人がタコみたいって聞いたけど」
 「それじゃ火星人焼きです。流行りません」
 ところが屋台にジェラシットの姿はなく……
 「ジェラシットは、俺のおふくろと駆け落ちしてしまった」
 待ち受ける大どんでん返しに、なにがなんでも普通に“いい話”にする気は無い、という浦沢先生の高い志を感じます(笑)
 「風の噂では今ごろ、どこかの田舎の温泉で、楽しくやってるらしい……」
 温泉旅館に就職したらしき二人の姿と思わせぶりなやり取りが描かれ、
 「あいらぶゆーーー!!」
 拾われた(笑)
 店主は黙々とタコ焼きを作り続け、海賊達は粗大ゴミと化した花輪スタンドを抱えたまま無言で去って行き……全編、エリック・サティの「ジムノペディ」で彩られているのですが、ピアノの響きが独特の余韻を残して、幕。
 予想外の再登板となった浦沢先生、「カーレン」回は岸さんと坂本監督の激走もあったのでしょうが、なんだかんだと『カーレン』的なるものを再演するという縛りがあったのに対して(こちらも“レジェンド回”として見てしまうところもあり)、「カーレン」回を踏まえつつも自由度が上がった事で浦沢脚本らしさが良い方向に転がり、浦沢ワールド的にはむしろ、今回の方が面白かったです。

7/10付けレス

 本日は『ゼロワン』感想を書きました。さっくりインターミッション。

俺は人助けが好きだ。

◆chi-chanさん
 >考えると一族=忍者集団な『ジライヤ』・『ニンニンジャー』がある種特殊というか、明らかに偉そうな館長より偉い人がいるのが割とより伝奇系なのかも知れませんね。
今作の場合、ニンジャを「組織」として描いているのだと思うと、養成所の更に上の存在が居ておかしくはないのですが、こういうのはキャラ付けが難しいですね……。
 >あるいはこの前のタイムファイヤー・ガオシルバーと重い追加戦士だったからその対比でもあったのかも知れません。
言われてみると、表面上陽性の追加戦士って、メガシルバー以来になるんですね。この辺り、追加戦士でどうバランスを取るのか、まだまだ試行錯誤が見えますね。
 >後の『ゴーカイジャー』や『ニンニンジャー』で、OBがそのままでゲスト参加していた経験を我々視聴者が経ているから感じる違和感でしょうね。
お楽しみとしての狙いはわかるものの、今見ると、中途半端な感じが増してしまう、というのはどうしてもありますよね。
 >『ゴセイジャー』のブレトラン(CV:飛田展男)を見てもカミーユより丸尾くんになっちゃうんですよね(笑
飛田さんの芸の幅はホント凄いですよね……三枚目やコミカル系怪人役で活躍する一方で、『アンジェリーク』とかで堂々美青年キャラも長くやってましたし。
 >えーと、若い外見の47歳ってどこの天津社長(永遠の22歳な45歳)ですか?(笑)。
たまに妙なネタ被りする事がありますが、今、東映上層部がそういう流行なんですかね……(笑)
 >ガルザが裏切った理由がどんどん積まれて行くような(単純に自分がいるのに男の養子が増えたら相続的に問題かと)。
クリスタリアの王位継承権問題は、気になってくるところですよねー。男女関係なく正室の子が第一位だとすれば、姫様はその重圧に悩んでいたのかな、とも思えますが。

◆もりみやさん
 >どうも「語らないのが男の美学」みたいなことをやろうとして、かっこよさよりも迷惑掛けてる方が気になる感じになってしまっていますね
後のクレナイ・ガイさんとか、突き抜けると面白くなってしまう事はありますが、チーム物との相性の悪さに直撃してしまいましたね。
 >社会人のUGMでこれをやられると、単に報・連・相が出来ない困った人にしか見えないのが辛いどころで
80年とはいえ、有能に見えない、というのはキャラの基本前提を崩してしまうだけに、凄く困りますよね。
 >「悪いのはイトウではなく、イトウを信じられなかった矢的の方だ」
「男の美学」は脇に置くとしても、「UGMの仲間だからどんな不審者でも信じて当然」は、どうにも無理が出ましたよね……。
 >宮下さんがお好きなモチーフなのか、それとも、ビーファイターと同じカブト・クワガタのヒーローということで、
 >多少意識するところがあったのかは、気になりますね
宮下さん、今ある戦いに壮大な背景を接続する事で、物語空間を縦に広げるのがお好きなのかな、というイメージがあります。

◆てひろぐさん
 >例年、追加戦士に「カッコいい!」と憧れるのはレッドの役目ですが、販促という事もあって結構無理くりですよね。
シルバーの何があそこまで充瑠のツボにはまったのか、はちょっと強引でしたよね(笑)
 >マブシーナへの無神経さもガキ大将だと地雷として盛大に爆発していたかもしれませんが、
 >充瑠のキャラだからこそ「ちょっとどうなの?」レベルで済んでいるかもしれません。
ああ確かに、年によっては、デリカシー不足すぎて大爆発パターンになっていたかもですねー。充瑠は、気の弱さと空気が読めなくなる部分の案配が、ちょっと都合よくなりかねないのは、若干の不安材料です。
 >元々地球人でマブシーナの回想でも笑うときにSEが鳴っていた事からある程度意図があったんですかね?
前回の宝路の笑いはご指摘通り、恐らく伏線の意図だったのだと思います。今回、回想でマブシーナの笑いが描かれたのも、宝路のキャラを示す要素であると同時に、比較の狙いもあったのかなと。
 >やはりメインライターに完全な仲間入りまでまとめて書いて欲しかったですね。
今のところ、荒川さんが好調で安定してますしね。過去の担当作からすると、塚田Pはメインとサブをそこまでくっきり線引きしない回し方をするので、今回もそうなら、巧く転がってほしいですね。

◆ピンクまさん
 >博多南宝路(長い)さん47歳の登場によって、長官ポジ-追加戦隊-敵幹部が全て親戚として接続されたわけですが、
 >これって戦隊史上でも極めてレアな繋がりですよね。
言われてみれば(笑) 多少近いところだと『マジレン』が思い浮かびますが、塚田P的にはやはり、『マジ』は意識しているっぽいですね(今後の展開次第では、戦隊メンバーも親族に連なるかもですし……エモい?)
 >そして地球全体がこの親族に振り回されるという酷い物語だったということが判明(笑)
そろそろちょっと、侵略者としてのヨドン皇帝の存在感を出さないと、元凶がどこにあるのか忘れそうになりますね(笑)
 >18話はまさに、みんなが見たかった藤井脚本を魅せてくれましたね。
作家性と物語全体への目配りが噛み合ったところに長石監督の演出もはまり、非常にいい回でしたねー。
 >悪女になりきれない女性要素を持ち合わせているのが魅力であり、今回はその魅力を藤井マジックによって存分に味わえました。
悪人ではあるけれど、その中にある人間味を作品設定に合わせて引き出してくれて、掘り下げ回として良かったですね。
 >特に人知れずマゼンダが涙を流すシーンが何より好きです。これを無理矢理天才に仕上げられたアシュラが見ているというのも感慨深い。
マゼンダにもそんな面があった、だけではなく、それをアシュラだけが知った、事が凄く物語の奥行きを造りましたよね。倒すべき悪ではあるものの、どういう決着になるのだろう、と含みを持たせる要素が入ってきたのは、今後に向けて楽しみです。
 >丈は、なんかまぁ藤井ワールドに見事にハマるキャラになってしまいましたね(笑)
単純なんだけどちょっとナイーブというか、このキャラのナイーブな一面を引き出してくれるのは、藤井脚本の魅力ですね。

◆MOPさん
 >突然やって来て家族を拐って行った宇宙人を友達と思える博多南さんてすごい人ですよね。
多感な時期の少年の心が、「宇宙人すげーーーーーっ」の方へ振り切れてしまったんですかね……(笑)
 >明石チーフとオラディンさんは確かにちょっと、いやかなり似ていますね。すっごく意気投合しそうで怖いです。
結果がオールライト……(笑) ……そして、ガルザと真墨に闇の力が。
 >充瑠くんがグイグイいくのは主人公でもあり、元々キラキラに関しては熱くなるのも分かるのですが、どうもオラディンさんの影を感じてしまいますね。
あのデザインがオラディン作だとすると、なにやらセンスの共鳴するところがあるのかもですが……充瑠周りは段々ちょっと不穏になっていますね。
 >とりあえずマブシーナちゃんにはもう少し誰かきを使ってあげて欲しいです。
一番距離感の近い小夜を宝路に繋げてしまったので、ちょっと姫様に対しておざなりになってますよね……誰か間を取り持ってくれると良いのですが。
 >ガルザの「ヨドンは良いぞ」に、そりゃ居心地良いよなとクランチュラさんの姿を思い浮かべてしまいました。
クランチュラさんが一生懸命手帳を読んで、「宝路、宝路、謎が解けたぞ!」とやってくれるのかと思うと、もう、移籍してもいい気がしてきました。

◆五月サツキさん
 >当時は全く分からなかったのですが、改めて見ると凄いファンサービスですね。ギミックだけでない扱いならもっと良かったんですけども。
素直に楽しんでおくのが一番なのでしょうが、個人的な好みとしては引っかかる部分があって、悩ましいところです。
 >しかしシュリケンジャーは追加戦士にしては戦闘力はそこまで高くないですね……。
思いの外、正面からの勝負では押され気味ですね。反面、いきなり暗殺を狙ったのは、面白かったですが(笑)
 >兄者は見るからにほうれんそうをせずに抱え込むタイプですよね……。
責任感が、駄目な方向に向かうタイプですよね……ここで一鍬が兄者ラブを乗り越えてくれると、面白そうなのですが。
 >まあ真面目な話、余命僅かの焦りを理由付けすることで誤魔化しているようにも見えました。
一種の自己暗示的なものっぽさはありますよね。
 >何にせよまた振り回される形となった一鍬が可哀想な気も。もうちょっと、置いて行かれる弟の気持ちも考えて欲しいです兄者……。
育ちが育ちなので、兄者、視野が狭くなりがちなのもわかるんですが……兄者心理に肩入れする為にはやはり、そんな兄者にも良い(面白い)ところがあるよ、的なエピソードが事前にもう一つ二つ欲しかったなと。

◆way-ohさん
 >ライダーというより『フラッシュマン』な感じで、後になってえぐい設定になりそうなのが正直、怖いですが。
宝路、なにかしら身体的な問題を抱えていそうな雰囲気はありますよね。
 >(今回「地底GOGOGO」という台詞もある)
聞き覚えあるけどなんだっけ……? と思っていたのですが、『セブン』の地底戦車登場回のサブタイトルだったんですねこれ(笑)
 >終わってから考えると「体内に石を埋め込まれた改造人間」ネタだったのかもと思ったり。
遊びつつ繋がった小ネタだったんですかね(笑)
 >こちらで度々出てくるオラディン暴君説を補強する材料がまたひとつ(笑)
王様、戦闘員に群がられて外に引きずられていく描写が微妙に謎でしたが、群衆の前で処刑されたのだと思うと筋が通りますね……。
 >博多南の年齢は明かされていないのですが、仮に演じる古坂大魔王さん(1973年生まれ)と同じと考えたら
 >・宝路は1971年生まれで、これは初代『仮面ライダー』放送開始年
 >・クリスタリアに行ったのが1988年で、平成に変わる前に地球を離れた
ああ……! 確かに「30数年ぶり」を「(約)30年ぶり」と省略するのは会話としておかしくないですし、「『仮面ライダー』の放映と共に生まれ、『RX』の年に平成を見る事ないまま地球を離れ、帰ってきたら令和だった男」というのは、どこの『コンレボ』だという感じですが、今作の方向性的に凄く色々はまりますね(笑)

コジコジハルさん
 >博多南さんの前回のシリアスな顔は心の中でまだできてないのにどうしようっていう締め切り前の漫画家のような考えだとは予想外でした。
怖い編集が、直接、職場までやってきたという(笑)
 >もしかしてですけど小夜が地球に戻ってからあった初めての女性だったのならあのマナリナフニフニする理由もわかり気がします。
境遇考えると、地球人と同種の女性と知り合う機会は、あまり無かったぽいですよね宝路……。
 >小夜も小夜で昭和の男と知ってもえ・・もいといってたので案外お似合いなのかもしれません。
最初、「え……無理」と聞こえて、思わず字幕で確認したら「え……もい」でホッとしました(笑)
 >もしかしたら王に関する重大な秘密がありそれをマブシーナに知られたくないから黙っているかもしれません。
ああ、えらくマブシーナに冷たい態度なのは、オラディン絡みだから、というのは納得いきますね。

◆えぬさん
 >お久しぶりです。いつも感想を楽しみにしてます。
ありがとうございます。
 >思えばマゼンダはデンソーヅノー回で自作の香水、タンクヅノー回で、香水で男共を魅了させる香水を振りまく作戦と実行したり
男を手玉に取る事にこだわっていたのが、純愛願望の裏返しだったのかも、などと見ても今回は面白くて、マゼンダの良い掘り下げになりましたね。

◆ハヤさん
 >時間的にマブシーナの扱いがぞんざいになってしまったのは仕方がないと思います。この辺りは次回以降に期待です。
宝路メインながら、マブシーナの苦悩にも尺は取ってくれたので、姫様の掘り下げも、期待したいですね。
 >この手の評価は一歩間違うと捏造になってしまいますが、これまでの積み重ねが生きていると感じました。
1クール分の積み重ねをきっちり表現できたのに加えて、博多南さんがなんだかんだメンバーの事をよく見て暖かく見守っているのが示されたのは良かったですね。
 >中村さんの好演もあって、かなり嫌な感じに響きましたね。
ここまでのガルザの台詞の中でも、最高レベルで嫌らしかったですねー。
 >芸術、武術に加えて医療や地質調査にまで手を出すとか、ものすごいスーパー君主ではないでしょうか(そして、やっぱり助手がいない)。
良くも悪くも、他人の為に自分で出来る事を一人でみんなやってしまうタイプですよね……ガルザと宝路が、そんな王様を手伝える存在ながら道を違えたのかも、と思うと面白い位置関係になりそうで。
 >そんな兄に張り合おうと思えるガルザもタフだなぁ、と感心してしまいました。
あ……今、「あなたは! そんなお兄さんと時に傷つき、時に磨き合ってきたからこそ、キラキラ輝けたんじゃないんですか?!」「ぐ……あ、兄上ーーーー!!」と、精神崩壊するガルザが見えてしまいました。

◆あきさん
 >当時はマブシーナ誕生前で後継者不在だったからか(ガルザさん・・・)
それは邪メンタルにも覚醒しますね……。
 >それともクリスタリアを長く離れてはいけない理由が生まれたので野良異星人にならないように配慮したのか、は気になります。
回想シーンだと、王様もかなり緊急手術だった様子なので、改造手術の後遺症が何かありそう(手元で経過観察?)みたいな理由はあったのかもですね。
 >「目上」の博多南さんの更に兄に当たる相手をこれからどう呼ぶのかは注目しています。
宝路の方から「宝路でいい」とかありそうなパターンですが、さん付けを通してほしいような気もします。
 >普通ならお宝探しがやりたいことで人助けが義務や使命になりボウケンジャーの映士もそれに近かったんですが、ひっくり返してきたのに意表つかれました。
実に『キラメイジャー』的であると同時に、宝路への好感度もしっかり造ってきて、ここは巧かったですねー。キャラによってはもう、そこで攻略されかねないところでしたが、踏みとどまったので、ここからどう見せてくるかも楽しみです。
 >利己→実は利他という流れは好感度的に手堅いなと思いつつ、それを「俺は冒険が好きなんだ」で強行突破したチーフはやっぱりチーフだと改めて(笑)。
1クール半の積み重ねをきちっと踏まえて、あの形で突き抜けたのはホント凄かったですね(笑) 忘れがたい作品とレッドだなとしみじみ。
 >特に博多南さんは、2話ラストの充瑠評をカットされた分が補完されて良かったです。他人のホットドッグを真ん中食いするだけの男ではないと(笑)。
ここは補完のタイミングを狙っていたのかもですね。いつもとはちょっと距離感の違う、兄との会話、というのも巧くはまりましたね。
 >父親が異星人と友達になって実兄が養子に行き、30年間親戚付き合いというぶっ飛んだ環境の賜物なのかといろいろ納得しました。
その時に、陰に入らずになにか振り切れてしまったのかもですね……で、そういう人なら、私設地球防衛軍造ってしまうかも、という謎の説得力(笑)

◆尚さん
 >「宝路さん、うちの親と同い年なんですね!」とか今後もし言われちゃったりした日にはどう返したらよいのか・・・。
そうそう、どこまで狙ったのか、丁度メンバーの親世代なんですよね(笑) なので、変なところで余計なダメージを食いそうで、少し心配になります(笑)

リハビリゼロワン

仮面ライダーゼロワン』感想・第35.5話

◆第35.5話「ナニが滅亡迅雷を創ったのか?」◆ (監督:筧昌也 脚本:高橋悠也
 放映中断中の総集編的なものは、どうせ録画しても見ないだろうな……とすっぱり録画しなかったので、かれこれ50日ぶりぐらいに触れる『ゼロワン』になります。
 「アークの秘書」を名乗るイズそっくりのヒューマギア・アズ(メッシュ入りの長髪)が現れ、アーク復活の為に必要なシンギュラリティポイントを探る名目で、滅亡迅雷の4人のこれまでをインタビュー形式で一人ずつ振り返っていく、滅亡迅雷サイド総集編的なインターミッション(撮影スケジュールの問題も考慮してか、サブライターとして参加している筧さんが監督を担当)。
 ……再開早々に、「自我」とか「自由意志」とか「自分の夢」とか謳いながら、おまえはお父さんギアとして造られたから、お父さんやりたかったんでしょぉぉぉ?!と中断前の一番酷いところを繰り返し突きつけられるのが、大変きつい。
 各々のシンギュラリティポイントについて、滅:父である事、雷:兄である事、と来たので、成る程ここで家族的な要素が4人の共通項として隠されていたのか……? と思ったら、亡:システムエンジニアとしてのヒューマギアの夢、と来て、膝から崩れ落ちました(笑)
 スピンオフ作品の掘り下げ前提という事もあってか、どうも亡は物語から浮いたまま感が強いのですが、改めてそれが浮き彫りになる事に(まあ、そもそも振り返るほどの出番もない雷も、かなり無理矢理でしたが)。
 大体ここで、システムエンジニア(技術屋)としての亡を取り上げるなら、唯阿と対比させておくとか事前に仕込めたと思うのですが、つくづく、個々のキャラクターのパーソナルな要素が繋がっていかない作品。
 最後に迅のインタビューとなり、迅復活の謎は有耶無耶に誤魔化されたままシンギュラリティポイントは自己申告で「滅」とされるも、データ回収時のキラキラ表現はされず……迅はなにやら、密かに誰かと連絡を取るのだった、とふわふわ腰の落ち着かない迅が再びキーパーソンとして浮上。
 それはそれとして、集めたデータで(集まったの?)、いよいよ、アーク復活。
 予告でさっそく大暴れしているアークは、今風なバリバリとした格好良さではなく、レトロ調で歪な改造生命体といったデザイン(&速水奨の声)がなかなか格好良く、ちょっと楽しみにしたいと思います。